くろうずニッキ

行ったライブの備忘録や日々の雑記などを書きます

ゴールデンボンバー「†ザ・V系っぽい曲†」を聴いて思うこと

実はゴールデンボンバーが結構好きだったりします。

演奏してないじゃんだのステージのパフォーマンスがどうのだのという賛否両論は置いておいて、今回はゴールデンボンバーの数ある名曲のうちのひとつ、「†ザ・V系っぽい曲†」について。
バンドが、というかヴィジュアル系が好きだったら一度は経験しているようなことを忠実に歌詞に表現していて、とにかくそのまま。ファンの心情そのまま。あるあるすぎて笑えてきちゃうレベル。
小~中学生の時、自分が一番バンドマンに夢を見ていた頃の思い出をこの曲の歌詞に重ねて蘇らせてみようっていう盛大な独り言です。


●メジャーデビュー=バンドとしての成功

【神盤】はとっくのとうに解散しててそれっきり
【大本命】はこの前ライブで「メジャー行き」を言われてなんか冷めた

【本命】のドマイナー盤は客が少なくて楽しい
【別格】のバンドが地元へ来てくれるけど試験と被ってるorz

インディーズ時代から追っていたバンドが満を辞してメジャーデビュー、大好きなバンドが大きくなるのは嬉しくもありますがこのままキャパがどんどん大きくなって、ライブでの距離が更に遠くなってしまうなんていう複雑な思いを当時は持っていました。
今でこそ時代が変わって、レーベルも増えたせいか敢えてインディーズのままで活動しているバンドが多数ありますが、当時はX、LUNASEA、GLAYなどなどなど、メジャーのバケモノバンドが多数躍進していたからか、"メジャーデビュー=バンドとしての成功"というのがあったんだろうな。

手を伸ばせば届きそうで、でもやっぱり届かないっていう微妙な距離感がこのジャンルの魅力のひとつでもあると思うんですけど、その魅力があるからこそファンとしてはなかなか手放しで喜ぶことはなかなか出来ない。
現に自分が好きだったバンドも、せいぜいツアーファイナルで県民ホールレベルだったのがいつのまにか武道館、そして東京ドーム、更には10万人動員ライブと・・・まあここまで書けば誰のことかは判ると思いますが、とにかくどんどん規模が大きくなってしまってついていけず、ファンクラブも辞めてしまった過去があります。
そこまで認知されていない時代から追っていた人達がビッグになるとそこで急に冷めてしまうっていう、この心理ってなんだったんでしょうね。
このバンドはわしが育てた!なんていう、厨二の驕りなのでしょうか。

●変わってしまったあの人

大好きな貴方が変わった メイク薄くPOP路線
血糊吐いてた貴方は何処へ?
スッピンも好きよ、好きだよ、好きだけど…

新曲はキラキラしてて なんとなく気に入らない
昔の曲はドブに捨てたの? ならば私はそのドブを浚おう

あるあるあるあるあr・・・

色々な考え方があると思いますが、少なくとも自分の周りにはバンドに対して変化を求めず、保守的な傾向を持っている人がたくさんいました。
バンドが良く言う常套句「いい意味で皆を裏切りたい」という言葉はファンにとっては大抵悪い意味であり、「そのままのあの人・あのバンドが好きだったのに変わっちゃった><」「裏切られた><」と取ってしまう事が多かったです。もちろん自分も。

数ある音楽ジャンルの中の一部分であるヴィジュアル系も流行廃りが日々移り変わりますし、ビジネスとしてバンドをやっているメンバーやレーベル、事務所にとっては、どうすればより多くの人達に受け入れられるのか?どうすればもっと集客できるのか?と考えるのは当たり前の事なんだと思います。
ほんとにバンドとして傾向が変わっていくというパターンも大いにあるとは思いますが。

某バンドの方が化粧をしなくなった事について「化粧をしなくても、もう音楽で勝負出来ると思ったから」と言っていたのをどこかで見た事があります。
それが間違っているというわけではなくて、むしろ「あなたがそう言うなら何も言いますまい」と納得せざるを得ないくらい説得力のあるものだと思う。
だけど、そのたった一言でファンをここまで納得させられるようなバンドって、このジャンルだと本当に一握りなのでは。

ちなみに個人的にここは、化粧をしてステージへ上がるからこそスッピンが生きてくるんです、と切に訴えたい。
化粧⇒オン、スッピン⇒オフだから、ファンとしてはそのオフの姿を見ることに喜びを感じるわけです。
ガーゼ素材の血糊をぶっかけた服なんかもまたしかりで、オフの私服姿での「なんやねんその服」っていうツッコミ(愛情表現)が出来るからこそ、ステージに上がる時は衣装で着飾っていて欲しいんですよね。

●活休・解散そして復活

永遠に抱きしめて このまま連れ去って
貴方の楽屋まで 連れ去って hold on me

ラストなんて 言わないで続けて
もう一度舞台上 現れて
(アンコール!)

会えなくて 側にいて 抱きしめて
消えないで 消えないで
君だけが closed my love
咲き乱れ 散り乱れ
汗まみれ アザまみれ
やめないで! 楽しくて love visual

"ラストなんて言わないで続けてもう一度舞台上現れて"なんて、正にファンの心情そのままじゃないですかね!

やめないで!続けて!と思いつつ、既にメンバー間がぎくしゃくしているのが手に取るようにわかって見ていてつらかったりもするので「やっとこれで皆楽になるんだ」と安堵することもしばしばある活休・解散ライブ。
自分が過去に行ったものは大きいところを言うとX、LUNASEA、SEX MACHINENGUNS、LAREINE、そしてここ最近だとVersaillesでしょうか。
あれ??今のところLAREINE除いて全部復活してるじゃん!
自分が中学~高校あたりで解散・活休したバンドはそれこそ思い入れが強すぎて、復活した今現在の姿や曲がスムーズに受け入れられない事も多々ありますが、それって要は前述の「変わってしまったあの人」と同じことで、大好きだったあの当時の思い出は同じバンドだったとしても現在の彼らでは上書きをすることは出来ないってことですね。
(あ、でもLAREINEからのKAMIJO先生は別です!)



あれこれ好き勝手に書いてみましたが、ここまで緻密にファンの心情を歌詞に著すキリショーってほんとセンスあるなー。
ちなみに今回は歌詞だけを見ていきましたけど、曲もすごくいいんですよ!
聴くだけで「あ、ここはコブシですね」「ここは手バンですね」「ここは折りたたみでしょうか」とわかる、凄く単純明快な"V系らしさ"を持っています。メロディーも。
興味がある方、歌詞に浸りたい方は是非。